温泉旅館のリニューアル計画。
もともとの建物は1970年代に建てられた鉄筋コンクリート造で、和室8畳+縁側+トイレという典型的な団体向けのホテルの間取りでした。
今回は客層の変化への対応や高付加価値化を目的に、ワンフロア全体の構成を8室から3室へと大胆にレイアウト変更。
客室面積を増やし、リビングスペースとベッドルームを分離して個室風呂を設けることで付加価値を高め、宿泊者の満足度向上と収益性向上を目指します。
設計に当たっては既存の平面や設備配管の調査を行い、既存躯体との整合性を取りながら、静謐性、プライバシーに配慮した特別感のあるゆったりとした場を目指しました。
客室内部の仕上げには柿渋の和紙や板張りを併用し、純和風でも完全な洋室でもない、どことなく地域性を醸し出す空間となることを心がけています。